知り合いの社長からの紹介がきっかけで、インドネシア人採用を始めました。受け入れ当初は、文化の違いに戸惑う場面が多くありました。
例えば、ある従業員が加工作業のやり方を実習生に注意すると、「私のことが嫌いですか?」と泣き出したことがありました。組合の方に相談すると、「彼らは人前で注意されることでプライドが傷つけられるため、もし何か指導する場合には個別で注意すると良い」とアドバイスを頂きました。それから指導は個別で行うようにし、仕事中の注意は人格を否定しておらず、あなたの成長を思って注意しているということを1人1人に話しました。
食事に関しても我々には宗教の知識があまりなかったので当初はとても不安でしたが、組合の方が随時相談に乗ってくれたため特に問題なく解決できました。春になると新しくできた彼らの後輩実習生も交え、花見をしました。夏には海や地元の花火大会、秋には作業場裏の山の紅葉を楽しみ、冬には雪で遊ぶなど、休みの日には従業員と彼らで四季折々の日本のよさを堪能しました。
仕事・プライベートを問わず、彼らとコミュニケーションを取り、1人1人に向き合うことで、彼らの文化や考え方を学ぶことができました。すると、彼らもまた我々の文化や考え方を貪欲に知ろうとしてくれました。お互いに理解が深まってくるほど、彼らの成長スピードは急加速していきます。人見知りせず人懐っこい彼らは、我々をすぐに理解してくれて、日本人従業員でも半年かかるほどの難しいライン作業も、わずか3ヶ月程のすごいスピードで積極的に覚えてくれました。中には日本人従業員を抜いてラインリーダーになった実習生もいました。
今でも継続して実習生の受け入れを実施しており、受入れ体制も年々整ってきています。最近では卒業生から連絡が入り、「起業した」と聞くことが多くなってきました。真面目で明るくパワフルな彼らに従業員一同日々刺激をもらい、以前と比べて現場が活性化しました。私自身もまた、まだまだ現役でいなければと強く思いますね。