私は兄から外国人実習制度のことを聞いて参加することを決意しました。兄は2年前に日本で研修を先に受けていました。
語学、数学には自信がありましたが、選抜試験ではマラソンがあることを知ってそれがいちばん不安でした。兄からのアドバイスもあり、試験まではランニングをし、腕立て、腹筋、スクワットをして体を鍛えました。試験当日は緊張しましたが、練習のおかげで無事合格できました。
日本では鉄筋施工の会社に配属されました。日本に来てから一番大変だったのは言葉でした。私が研修で習ってきた「尊敬語」ではなく、「普通系」が使用されていたからです。(※~です。~ます。ではなく、~だ。等)最初は聞き取ることが難しく、何度も現場の方に聞き直しをしました。組合の方に相談すると、組合の方が現場の方の皆さんにそのことを伝えてくれました。次の日からは現場では、私達にもわかるように丁寧語で話すようにしてくれました。
ホームシックになることもありました。そんなときは兄に連絡をしました。また現場の方が、私達が寂しくないようにとしばしば家に招待してくれて和食をごちそうしてくれました。2年目には、後輩実習生たちに指導もできるようになっていました。
帰国後は兄が起業した会社で働き、日本で得た知識や考え方を活かしながら仕事をしています。